南大阪で欠陥住宅を建て替えるオッサンのブログ(along with 泉北ホーム)

建売の欠陥住宅に長年苦しんだ末、泉北ホームさんで建て替えます。その顛末です。

内装工事とカーテン-1

内装工事の様子

 サイディングの具合を見に行った際に、大工さんに声をかけて、内装工事の具合を見学してきました。階段が出来上がり、二階にあがるのに梯子を登らなくていいことが感動です(これまではiPADを抱えて梯子を登っていました)。

 床材は既に施工済みでキズから守るためにブルーのプラスチック板が被されています。建具も入り、廻縁も取り付けられてかなり家らしくなっています。丁寧な大工さんの仕事に感謝です。大工さんの話によると、それでもまだまだ途中だそうです。

f:id:tanegon:20130428224210j:plain

   f:id:tanegon:20130428225931j:plain

 無垢のドア(ウッドワン製ピノアース)の色合いも、思ったよりも落ちついた感じで気に入っております。

 さて、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、泉北ホームさんでウッドワンの建具を選んだ場合、”クローゼットの扉+窓枠+廻縁”の色はホワイトになります(和室は別)。ドア・床とこれらの色をあわせることが出来ないのが、少し残念な点です。

 このため当家はクロスをホワイト系で統一し、”クローゼットの扉+窓枠+廻縁”のホワイトが浮き上がらないようにコーディネートしています。クロスが貼られていないと、まだまだ室内のイメージが掴めにくいですね

 

カーテンDO!

 宣伝でご存知かと思いますが、泉北ホームさんではカーテンもコミコミでついています。カーテンDO!さんと提携しており、施工面積に応じて設定された金額内でカーテンを選ぶことができるのです。なお、設定金額をオーバーした場合は差額が発生しますが、これも割引が効くのでカーテンにこだわりを持つ方にとって良心的と言えるでしょう。

 上棟式の際、営業殿から5月9日までを目途にカーテンDO!店舗への訪問を促す旨の案内を頂いたので、中百舌鳥店に行ってまいりました。「部屋のイメージが湧いていないので、少し早いのでは」と思いつつも、まずは情報収集ということで。

f:id:tanegon:20130428232430j:plain

 建物に入ってみると、はてさてカーテン屋さんのイメージと大分と違うような?

 入り口に比較的若い女性をターゲットとした雑貨やガーデニング用具が並んでいます。また、カフェコーナーがあるらしく、店舗内に甘いパンケーキの香りが漂っています。うーん、中年のオヤジには縁遠い世界です。

    f:id:tanegon:20130428232915j:plain 

 後からようやく分かったのですが、カーテンDO!中百舌鳥店は、デイ&リビングという雑貨屋さんが併設されているそうで、基本的に別店舗だそうです。てっきり、カーテンDO!さんが雑貨を売っているのかと思いました。

 最初からいきなり異世界に迷い込んで軽いカルチャーショックを受けている感じですが、「カーテンなんかニトリでええやん」というセンスのない中年のオッサンが、次回以降で馴染みのないオーダーカーテンの世界に遭遇します。お楽しみに。

 

 

サイディング工事-2

風光は施工が大変

 タイトルの通りサイディング工事は大変だったらしく、毎日遅くまで外装業者の職人さんが作業されておりました。それでも、予定の工程より長くかかっている様子です。これはニチハさんののサイディングの特徴によるのかもしれません。その特徴ですが、

①硬い

 ニチハさんは日本で初めて防火外壁材を開発するなど、窯業サイディングのリーダー的存在で、商品の材料や品質に強いこだわりがあるそうです。サイディングの断面を見て頂くと分かりますが、ニチハ製のものはギッシリと詰まった感じで、茶色い粒が見えます(写真を取り忘れたので、余所のサイトからの引用です)。

  f:id:tanegon:20100130120757j:plain

 茶色い粒とは木材のチップであるとのことです。基材が”木質系繊維混入セメントけい酸カルシウム板”と呼ばれている所以です。一方、KMEW製のものは”パルプ繊維混入セメントけい酸カルシウム板”という基材であり、基材を構成する繊維素材が異なるのです。

 このためやたら硬いらしく、サイディングをカットするのが大変で一軒分を加工するのに、何度かカッターの刃の交換が必要という話も聞いたことがあります。

②重い

 ニチハ製サイディングはやたら重いため、貼る作業も大変だそうです。そんなに重いのかと思って調べてみても重さを記載した資料がありません。そこで、風光1枚分での重さを比重から推定してみました。

 風光1枚分 容積:21mm×455mm×3030mm

       ×比重:1.08

       ×凹凸による推定修正率(0.9)=28.kgぐらい

 一方、KMEW製(ネオロック・光セラ18)はカタログからすると1枚が21kgなので、確かに風光は重い!。たった2人の職人さんで作業をされていましたが、大変だったと思います。

 

でも風光が良い

 硬くて重いという特徴を説明しましたが、ニチハさんを悪く言っていると思われると困ります。「硬くて重い分だけ、その分頑丈である」と個人的には考えています。感覚的にパルプ素材よりは木のチップの方が丈夫そうですし、耐火等級も最高の4ですしね。そう考えなかったら、自分の家に貼りません。

 確かに軽い外装材の方が地震対策としては良いらしいですが、それでも下図の通りモルタルと比べればかなり軽いので、大した差にはならないでしょう。

 あくまで推定ですが、風光の場合は外壁の重さは約4.1tぐらいで、KMEW製と差は1t程度と思われます。重いとよく言われるALC(パワーボード)と比べると同程度か、ALCの塗装分を加味するとやや軽いと推定されます。

  f:id:tanegon:20130427221200j:plain

  さて、前置きはこれぐらいにして、施工のお話に戻します。本日現場を見学しに行くと、9割以上完了しておりました。

f:id:tanegon:20130427161557j:plain

f:id:tanegon:20130427220330j:plain

 予想した通りかなり重厚感のある外壁に仕上がっています。厚みがあって重い分だけ、確かに見た目の効果がありますね。

 サイディングは結構傷つきやすく、硬いものがあたると直ぐに塗装が剥げて基材のグレーが見えてしまうので、専用の補修材による補修が必要です。心配になって外壁を一通り眺めましたが、綺麗に仕上げて頂いておりました。大変な作業をしていただけた外装業者の職人さんと、適切にチェックして頂けた泉北ホームの監督殿に感謝です。

サイディング工事-1

白い外壁

 先述の通り、泉北ホームさんのショールームにあったニチハ製”風光”というサイディングに惚れ込んでしまいました。そこで当家は”風光”を採用し、TypeDDのホワイトをメインに、TypeSPのホワイトをアクセントにという、「白に白を着合せる」ような不思議な構成をとっています。

 風光は他のサイディングと比較して、厚みがあるため(21mm、通常は15~18mmぐらい)光を受けて陰影を生み出すらしいのですが、”白に白”で本当にアクセントになるのか? 下手をすると”倉”の様に真っ白なだけの建物になるかもしれません。工事が進んだ次回以降で、ご報告いたします。

   TypeDD                                     TypeSP

   f:id:tanegon:20130422232307j:plain  f:id:tanegon:20130422232320j:plain

 泉北ホームさんと言えば、”光セラ+KMEWスーパーシール”の組み合わせが多分一番人気です。光セラは汚れにくく、KMEWスーパーシールは長持ちすると評判が高いので、凄く魅力的だったのです。メンテナンス費用が30年で比較すると、大きく差が出るという広告も惹かれますしね(試算では数百万?とも)。

http://www.kmew.co.jp/shouhin/siding/hikaricera/maintenance4.html

 しかし、近所で泉北ホームさんで建てた家が増えてきていることもあり、似た感じの家になるのが嫌で避けた感もあります。

 

シーリング材の比較

 なお、”風光”を選んだ場合、KMEWスーパーシールでなくてニチハ純正の高耐久変性シーリングになるそうです。もし、KMEWスーパーシールと比べて性能面で先述の広告通りに劣り、メンテナンス費に差が出ると心配なので調べてみると・・・

http://www.nichiha.co.jp/wall/pdf/sealing.pdf

 

f:id:tanegon:20130422222232j:plain

 WOM10,000時間にもクラックが出来ていないので、かなり優秀です。一方のKMEWスーパーシールの性能を見ると・・・

 

f:id:tanegon:20130422231130j:plain

 

 あれ? 不思議なことには性能的に同じに見えますね。

 でも、「KMEWスーパーシールは30年持つ」という触れ込みの宣伝を工務店等でよく見ますが(例:http://ameblo.jp/quohomesezaki/archive-201205.html)、一方のニチハシーリングではそんな宣伝を目にしたことがありません。

 ニチハさんに電話をかけて、「もっと長持ちするのではないのですか?」と聞いてみましたが、「当社としては10年保証ということ以外はなんとも申し上げられません。」とのこと。

 ニチハさんは堅実な名古屋企業ですから、大げさに”何十年持つ”といった広告を敢えて避けているのか? それとも両社のシーリング材の成分が異なり、性能差があるのか? 当方では残念ながら確認できませんでした。詳しい方がいらっしゃいましたら、ご教授いただければ助かります。

 まあ、私としては30年先のことなど、”ケセラセラ~♪”で分かるはずもないですから、ニチハシーリングが思いの外、長持ちしそうだと喜んで、”風光”を選択したことを満足しております。

第三者監理(5回目)

完璧な第5回検査

 建築士の先生による検査も5回目となります。今回は次の検査内容をまとめて実施して頂きました。検査ポイントは次の通りです。

 1.雨仕舞検査

 ①外部サッシ廻りやバルコニー廻りなど仕上げてしまうと隠れてしまう部分を下  地の段階で確認する。

 ②施工状況により構造材の未確認部分、断熱材の取り付け状況、内部配管の施工  状況を確認する。

 2.内面部面材耐力壁施工

 ①内面部材耐力壁の種類が図面通りか。

 ②使用するビス、釘は規定のものか。

 お約束の時間より30分前に現場に到着したところ、先生は既に検査を開始されています。先生は足場に登ってサイディングを取り付けるための胴縁の状態し、サッシまわりや開口部が防水テープ等で適切に処理されているか等、細かくチェックしておられました。

 f:id:tanegon:20130418113204j:plain

 次に、内部の耐力壁についてチェックして頂きました。ツーバイフォーでは石膏ボードでキッチリとした建物内の仕切り壁を作り、部屋単位で箱を形成して耐震性を持たせているそうです。建物内に入ってみると壁の石膏ボードは沢山のビスでとめられています。これも、ビス止めのピッチ等の規定があるそうで、細かくチェックして頂きました。なお、建物内は写真の通り、建具も入り部屋らしくなってきいます。

f:id:tanegon:20130418113115j:plain

 さて、検査の結果は「完璧」とのことでした。しっかりとした対応・施工を頂いている泉北ホームの監督殿と棟梁に感謝です。なお、仕込み立会いの時に変更をお願いしていたコンセント変更や、提案頂いた配管点検口もキッチリと仕上がっておりました。本当に有難うございます。

 

建築士の先生からの質問 

 さて、先生が2Fの勾配天井の部屋を検査していた時に、「あのくぼみはなんですか?」と質問を頂きました。その”くぼみ”の写真がこれです。

  f:id:tanegon:20130418115623j:plain

 これは前任の営業担当殿、設計殿と一緒に考えた”ロフト風天袋”です。勾配天井の部屋を広く見せ、物をおいた場合で取り出しが用意であるように考えました。前の家には天井裏収納があったのですが、二度と取り出さないゴミ入れ状態になりましたので、これに懲りて考案したものです。先生からは「面白いアイデアですね」と感心され、当方も自己満足しておりますが、果たして有効利用できるやら・・・。

断熱工事

※今回は吹き付け断熱工事にまつわるトピックを3点お話します。

 

トレードオフ規定

 泉北ホームさんでは吹き付け断熱工法(フォームライトSL)を採用していますが、心配になった点があります。それはトレードオフ規定を適用していることです。トレードオフ規定の詳しい解説は「住まいの水先案内人」サイトでご確認ください。

 http://www.ads-network.co.jp/dannetu-keturo/mini-46.htm

 つまり次世代省エネ仕様に対応する上で、泉北ホームさんでは開口部であるサッシやドア断熱性能を高いものを採用する代わりに、天井断熱がフォームライトSLの推奨厚みより薄くなっているのです。

 ただし、設計殿や監督殿に伺ったところ、棟換気や二重垂木を採用していることもあって、お客さんから”暑い”と言われることはないとのことです。

 でも、当家は勾配天井を採用しているため、通常より屋根の熱が伝わりやすいので心配ではあります。一方、意味なく過剰スペックの断熱にしても仕方がありません。そこでオプション費用を払って、対応可能な範囲で勾配天井部分の断熱材の厚みを増してもらいました。結果がどうなるのか楽しみです。

 

施工時の問題

 さて、フォームライトSLの施工では専用作業車が必要です。吹き付け作業に数時間かかるのですが、作業車から宅内にホースを伸ばした状態となるため、作業中は作業車を移動することができません。施工業者の方によれば、便利な吹き付け断熱施工の最大の問題点だそうです。

    f:id:tanegon:20130414092533j:plain

 駐車スペースがある広い土地に家を建てるなら問題ないのですが、当家の様な狭小地ではご近所の車の出し入れに支障が出てしまいます。泉北ホームさんで警備員を手配して頂けますが、ご近所にご迷惑をおかけすることになるので、朝から家族で挨拶に廻りをして、車の出し入れがある場合は駐車位置を変えて頂くようにお願いしました。新しい分譲地に建てるなら問題ないのですが、建替えは何かと気をもむことが多いですね。

 

ペーパーバリアがある!

 ご近所トラブルもなく無事に施工が完了して、久しぶりに現場を覗いてみると、吹き付け断熱の上に緑色のシートがかかっているのを発見しました。これはペーパーバリアと呼ばれる防湿シートで室内から壁内への湿気の侵入を防止するものです。

 寒い地域では一般的になってきていると聞いておりましたが、南大阪で採用しているのを初めて見ました(単に私が不勉強なのかもしれません)。シートを張り付けるという面倒な工程が増えるし、Ⅳ地域では透湿抵抗比から考えても必須でないと思うのですが、内部結露対策のために行っているのでしょうか。施主としてはあった方が、良いのでありがたいことです。

f:id:tanegon:20130413142234j:plain

上棟式-2

上棟式って何

  上棟式は神様に棟上げまでの工事が終了した事を感謝し、無事に建物が完成する事を祈願する儀式だそうです。施主が工事関係者(職人、現場監督、設計、営業さんなど)をもてなすお祝いの意味もあり、本格的に行う場合は神主さんも呼んで、餅まきなどもするそうです。

  f:id:tanegon:20130413163807j:plain

 ツーバイフォー工法は”箱”を一階から作り上げていくので、棟上げというものがありません。泉北ホームさんでは、上棟式を建て方が終わり、棚やスイッチ等の位置を施主が確認する「仕込み立会い」の時に行うことが多いそうです。なお、当方は略式で工事関係者のみでヒッソリ行うこととしました。

 

御幣とは

 上棟式では「御幣(ごへい)」という重要アイテムがあります。京都では次の”おかめ御幣”というものが一般的とも聞きますが(プリティですね)。

  f:id:tanegon:20130413173418j:plain

 では、御幣というものは一体何なのでしょうか? Wikipediaによれば、

「神に布帛(ふはく)を奉る時には木に挟んで備えていたが、それが変化したのが今日の御幣である。その由来から、元々は神に捧げるものであったが、後に、社殿の中に立てて神の依代あるいは御神体として、あるいは祓串のように参拝者に対する祓具として用いるようになった。」

 つまり、もとは神へのお供えをいう客体であったものが、御神体(お守り)という主体となったとのこと。つまり、工事の安全と建物の堅固・長久を祈念したお守りが御幣ということことになるとのことです。

 

上棟式

 さて、当方の(略式)上棟式には営業殿、設計担当殿、IC担当殿、監督殿、棟梁に参加いただきました。肝心の御幣ですが、仕込み立会い後、2×4材、扇子などを使って監督殿に作っていただけました。

 「略式上棟式なので、御幣は無しだろう」と考えていたので、嬉しいサプライズです(南大阪ですから、おかめのお面はついていませんよ)。御幣作成に興味のある奇特な方は、次のサイトに御幣の作り方が紹介されていますので、ご参考まで。

http://blog.goo.ne.jp/hokutojuken/e/1fc9f8cd85ab078622cab7ffff76a0d6

 この御幣に先日に立里三宝荒神社からいただいたお札の入った木箱を取り付けて祭壇を作りました。

   f:id:tanegon:20130413163101j:plain

 祭壇にはお酒と塩、洗い米等をお供えします。そして、棟梁が酒、施主が塩と洗い米を持ち、家の四方(東側から時計回り)に撒いて、洗い清めます。そして、祭壇に戻り、2礼2拍手1礼で祭壇の御幣に向い、参加者全員で工事の安全と建物の堅固・長久をお祈りしました。

  営業殿をはじめ、皆様には丁寧なお祝いのお言葉を感謝しております。ご出席頂いた方に、お酒、お弁当、ささやかなお礼などをお渡して、無事終了いたしました。御幣は吹き付け断熱工事後に、棟梁が屋根裏に納めて頂けるとのことです。

 ささやかな式でしたが、無事終了してなんとも言えない充実感を得ることができました。関係者の皆様、有難うございます。

上棟式-1

(1)上棟式の準備

花も嵐も踏み越えて

  上棟式の準備で立里三宝荒神社にお参りに行ってきました。そこは雪国でした。でも、住所は奈良県で日付は4月9日です。

f:id:tanegon:20130407114143j:plain

  白く見えるのは雪でして、吹雪いております。列島を駆け巡った爆弾低気圧の影響で冬並みの気温の中、春着でお参りしたため寒さで死にそうでした。

 上棟式と立里三宝荒神社との関係ですが、当家は真言宗なので仏式で地鎮祭を行いましたので、上棟式でお迎えする神様は真言宗に因んだ立里三宝荒神社にすべしと考え、悪天候の中うかがった次第です。なお、同社の縁起については、次のサイトをご覧ください。遠方からも参詣者が絶えない、とても霊験あらたかな神様です。

 http://www.7kamado.net/tateri.html

 無事に参拝と祈祷を終えた後に、高野山の奥の院をお参りし、最後に私が大好きな丹生都比売神社(にうつひめじんじゃ:高野山、熊野を含めて信仰の道が世界遺産に登録)をお参りしました。

 http://www.niutsuhime.or.jp/

 同社は天野という地にあるのですが、そこは昔ながらの田園風景が素晴らしい所です。天野までの途中で、先ほどの吹雪を忘れるほどの満開の桜を楽しむことができました。黒い空との対比が面白いでしょう。

f:id:tanegon:20130407135236j:plain

 まさしく、上棟式で神様をお迎えするのに、花も嵐も踏み越えてきたのでした。 

 

花鳥風月

 さて、今回のブログは趣を変えてみましたが、私がファンである養老孟司先生に影響を受けたのです。先生のコラムを読んでいると、気になる箇所がありました。引用すると、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

http://www.sodatsu.com/senses/message/bn003_04.html

「いじめ」の問題も、自然に係あるわけです。中学生のときにいじめられた24歳の女の子が当時の日記を『14歳の遺書』という本にしたんですが、それを読んで、一番僕が驚いたのはそこに、「今日、雨が降った」「雪が降った」「天気がよかった」という記述、花鳥風月がいっさい、ない。
「私の言ったことに友達がこう反応した」「親がこう言った」「先生がこう言った」「兄貴がこう言った」と、全部人間の世界のことでできている。それはかわいそうなことです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 そういえば、このブログも花鳥風月が登場してません(雷ネタはありましたが)。そのためかなんだか余裕がなく、とても硬い感じになっています。「欠陥住宅で苦しんだ(これも全部人間の世界)」という背景があるので仕方がないですが、物の見方に自在がないのはつまらないと思っています。今後も、この手の話題を入れていきたいと思います。

 

 

第三者監理(4回目)

手堅い4回目 

 今回は1階壁、2階床2階壁、小屋組の施工等をチェックしていただきました。具体的には、釘の種類やピッチ、スタッドの位置・本数、梁の配置・施工状況、金物の配置・取り付け具合などです。先生に1時間以上かけて丁寧に検査して頂きました。

  f:id:tanegon:20130408204028p:plain

 検査結果としては、スタッドの設置忘れについて指摘を受けましたが、基本的に問題なしです。指摘箇所もその場で直ぐにスタッドを取り付けて頂き、是正処置も完了しております。棟梁の手堅く、確実な施工に感謝です。

 昨年に現場見学をして回った際、工務店さんによっては床が木屑で散らかっている現場も見ましたが、担当頂いている棟梁は常にきれいにして頂いているので恐縮です。

建て方中-2

心配・失敗

 お蔭様で建て方の工程は順調に進み、屋根もかかって家らしくなっております。

  f:id:tanegon:20130406224242j:plain

 第三者検査が近づいたこともあり、工事開始前に現場に入って、デジカメ検査のマニュアルに従って確認をしてみることにしました。釘の間隔、金具の取り付け、床材が千鳥で貼られているなど、基本的にキッチリと施工されていることを確認できましたが、なんだか細かなところが気になります。

 例えば、釘を打ちそこなっていたり、

   f:id:tanegon:20130406225215j:plain

 火打ち部分に隙間があったり、

    f:id:tanegon:20130406225849j:plain

  金具のボルトが締め付けられていなかったり、

   f:id:tanegon:20130406232544j:plain

 急に不安になったので、泉北ホームさんの監督殿に「施工が心配だから、第三者検査の前にもう一度確認してください!」と朝一から電話でお願いしたのでした。

 その後に少し冷静になってみると、単に素人の私が早とちりしているかもしれないと思い、「住まいの水先案内人」の堀先生にメールで相談しました。以下、そのやり取りです。

----------------------------------------------------------------------------------

■釘が斜めに刺さっているところが幾つかあり、構造材と柱との釘が効いていないと思われる箇所がありますが、こんなものでしょうか。

⇒2X4工法の場合は、1件の上宅に1万本近い釘を使用します。そういう意味では、この状態がいくつもの箇所にあれば別ですが、数カ所なら、大勢に何らの影響もありません。
■火打ちと梁との間に隙間があり、効いていない感じです。こんなものでしょうか。
⇒この隙間と強度とは全く関係ありません。火打ち梁は、下地材と合板の間に打たれた釘で強度を発揮するものであって、隙間の有無は強度には何の関係も与えません。
全ての隙間が同様ですが、隙間が無いからいい工事なのではありません。隙間の有無は、ほとんど関係ないと考えられた方が良いです。

■ホール金物のボルトは増し締めされていませんが大丈夫でしょうか。
⇒通常は、室内に石膏ボードなどを搬入した後で行います。

--------------------------------------------------------------------------------

 堀先生、いつもクールで的確な返答を迅速に頂けて感謝しております。やっぱり、私の早とちりか・・。

 結局、私が頓珍漢な行動をとり、監督殿や棟梁にご迷惑をおかけした訳です。誠にすいません。

 今回の失敗の教訓ですが、「現場で働いている人と対話することが大切である」ということだと思います。今後、気を付けます。

窓に関するあれこれ-2

※前回に続いて窓に関する話題です。

(2)防火サッシの値上げ

LA型が廃番へ

 前回は出窓の再検討についてお話をしました。その時に設計担当殿から伺った話では各メーカともLA型出窓が夏頃に廃番予定だそうです。

 気になって色々と調べてみると、出窓だけに限らずサッシの種類が絞り込まれる事態が進んでいることや、防火サッシの大幅値上げが予定されていることが分かりました。その背景について、少し過去にさかのぼりご説明いたします。

 なお、あくまで素人説明なので、詳しくは次のブログをご覧ください。

http://nakazato.exblog.jp/20122640/

http://iinoakazonae03.blog77.fc2.com/blog-entry-2211.html 

 

防火性能粉飾問題

 ことの発端は、約2年前に大手サッシメーカの防火サッシが性能を確保出来ていないという事実が次々と発覚したことによります(最初、一条工務店が社内テストで発見し、次々と他のメーカに飛び火)。大手サッシメーカがサッシの防火性能や断熱性能をごまかしていた訳です。

 その根本原因は書面ベースの杜撰な性能認定制度(通則認定)を国が採用していたことにあります。ことが重大になりましたので、国はメーカ各社に2年の執行猶予期間を設けて、商品単位で労力・コストがかかる耐火テストを行うように指導しました(個別認定)。

 消費者にとっては個別認定を受けることで商品の性能が向上することは良いことです。しかし、メーカ側はこれにより発生するコストを商品価格に上乗せすることとし、夏以降に大幅な値上げを行うそうです(戸建一軒につき100万円UPとも)。また、商品ラインの絞り込みも予定しているとのことです。

    f:id:tanegon:20130330095318j:plain

 

ひとごとではない

 「防火サッシなんて自分には関係ない」とお考えの向きもあるかと思います。確かに、準防火地域にお住まいので家を建てる方が対象となりますが、3.11以降は多くの自治体がハザードマップを見直しをすすめ、準防火地域は拡大する傾向にあり、ご自分の住んでいる地域が指定される可能性もあるのです。例えば、堺市では昨年末に大幅な指定拡大を行っています。

http://www.city.sakai.lg.jp/shisei/toshi/keikakunitsuite/sonota/junboka/index.html

 また、防火サッシが大幅値上げや商品ラインの絞り込みは、防火仕様でない商品も影響を受けるでしょう。円安による原材料費、電力会社の電気代値上げなども背景となり、サッシメーカは防火仕様以外の商品の値上も考えているでしょうし、採算性の悪い商品ラインを廃止するでしょう。一方で商品の防火性能自体は底上げされる可能性もあります。

 住宅メーカ各社も、防火サッシの値上げのため、夏以降に仕方なく価格の値上げを検討しているとも聞きます。防火性能があがることは良いとは思うのですが、サッシメーカや行政の失態を消費者に押しつけた形となり、とても嫌なお話です。