南大阪で欠陥住宅を建て替えるオッサンのブログ(along with 泉北ホーム)

建売の欠陥住宅に長年苦しんだ末、泉北ホームさんで建て替えます。その顛末です。

3.断熱について-2

吹き付け断熱での心配事(前回の続き)

 「吹き付け断熱が良いな」と考えていた訳ですが、外断熱を扱う会社さんから内部結露の発生や雨水の侵入という話を吹き込まれて、心配になった私です。でも、営業さんの話が本当なのか、自分が納得できるように調べてみることにしました。

 

内部結露についての調査

 壁内の内部結露については、前回に紹介させていただいたサイト「住まいの水先案内人」が詳しいので、一度ご覧ください。

  http://www.ads-network.co.jp/dannetu-keturo/naibu-keturo-01.htm

 ポイントは次の3点になるかと思います。

 ①最近の家は外壁通気工法を採用しており、昔と比べると内部結露が発生しにくい

  構造になっている。

 ②壁内の内部結露の発生のしやすさは、透湿抵抗比(※)という数値で判断でき   る。この値が大きければ、発生しにくい。

 (※)透湿抵抗比の計算については次のHPが参考になるかと思います。

      http://www.house-support.net/toi/tousituteikouhi.htm

 ③透湿抵抗比は壁を構成する材料の透湿抵抗値という値に依存する。全周を構造

  用合板で囲む場合は構造用合板の透湿抵抗値に依存する所が大きい。

 結論から申し上げると、”水蒸気を通しやすい構造用合板(つまり、透湿抵抗が低い合板)”を使うと、壁内の内部結露が発生しにくくなるらしいのです。

 

透湿抵抗の低い構造用合板とは

 では、透湿抵抗が低い構造用合板とは具体的にどんなものか。工事現場を回ってみて、どんな商品があるのかを調べました(今更ながらの用語確認ですが、ここでいう”構造用合板”とはMDFや針葉樹合板とか特定の商品を意味するのではなく、”外周を囲うための合板の総称”とお考えください)。透湿抵抗が低いもの順に並べていくと、次のような商品が使われていました。

 ハイベストウッド<ダイライト<novopan-STPⅡ<針葉樹合板<OSB

(他にニチハの”あんしん”を使っている現場もありましたが、透湿抵抗が低めという以外はよくわかりませんでした。)

 次に、どの程度透湿抵抗の商品であれば大丈夫なのか? 自分で計算式を見ながら試行錯誤してみたものの確信がもてないので、吹き付け断熱の素材メーカに直接問い合わせました。

 現場の使用例が多かったnovopan-STPⅡを具体例にして確認したところ、吹き付け断熱材(フォームライトSL)のメーカから丁寧な計算結果をPDFで添付して、問題ないとのご返答をいただきました。ただし、地域の気候に依存するとのことで、あくまで私の住む南大阪の場合です。

 参考までに申し上げますと、いくつも住宅関係の会社を回りましたが、透湿抵抗比について理解されている営業さん、工務さんは、滅多にいらっしゃいませんでした。実際、コストダウンのために透湿抵抗値の高いOSB(!)で全周を囲んで吹き付け断熱を使用している会社すらありました(SE工法を売りにしていた会社さんだったので、内部結露のリスクを承知されていると思ったのですが。)。それでも、世の中はうまく回っている様子です。

 理論的には透湿抵抗比は重要なのかもしれませんが、「住まいの水先案内人」の堀先生が著作等で仰るように、ビニールクロスが壁内への湿気の侵入を防いでいる実態があり、実務上は大した問題ではないのかもしれません。