南大阪で欠陥住宅を建て替えるオッサンのブログ(along with 泉北ホーム)

建売の欠陥住宅に長年苦しんだ末、泉北ホームさんで建て替えます。その顛末です。

4.屋根について-4

※屋根の熱対策についてのお話です。前回の①反射に続いて、②通気、③断熱について話を進めます。

 

②通気

通気層の原理

 吹き付け断熱で屋根断熱とする場合には先述の通り、垂木付近に作る通気層といったものがあります。棟換気とこの通気層を組み合わせて熱対策を行います。つまり、暖かい空気は上昇して空気の流れができますから、熱が抜けていくという仕掛けです。

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通気層の作り方

 では、具体的な通気層の作り方ですが、下図がソフティセルONEという断熱材での施工例です。

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 パターン1では垂木の”面材”というもので垂木の間に通気層を設けるものです。この面材とは”通気スペーサ”とも呼ばれるダンボールが使われます。ダンボールといっても気の利いたものであれば内側にアルミが蒸着してあり、通気層を構成することで遮熱効果があるとのことです。

 ただ、この施工には問題点もあり、施工が悪いと吹き付け断熱を施工時に勢いでダンボールがへこんで、通気層が十分確保できないといケースがあるようです。また、壁の時と同様に施工が悪いとスペーサーに隙間ができて、気密性が取れなくなる恐れがあります。

 パターン2は壁と同様に胴縁を張って通気層を確保するというものです。野地板と同じ合板を二重に張る形になり、確実に通気層が確保できます。ただし、施工コストがかかるため、それほど普及はしておりません。垂木と同様に胴縁を張るので、二重垂木と呼ばれることがあります。コスト的に余裕があるなら、パターン2に方が良いように思います。

 

(参考):太陽光パネルによる効果

 太陽光発電を載せることで、太陽光パネルと屋根材間の通気層ができるため、遮熱効果があるというデータがあります。例えば、伊藤忠エクネスという会社のサイトから引用すると

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太陽光パネルを屋根に設置することでパネルが遮熱効果を発揮し、夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことができます。またエアコンなどの光熱費の削減効果も期待できます。

屋根表面温度野地板裏面温度測定値温度差
モジュール未設置モジュール設置
夏場 70度 49.32度 38.4度 -10.92度
冬場 -5度 8.12度 13.35度 5.23度

参考(株)ボラス暮らし科学研究所

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 太陽光パネルと屋根材との間に通気層が出来るというのが理由なら、屋根瓦一体型の太陽電池では効果がないのでしょうね。

 

③断熱

 今回のお話では吹き付け断熱を前提とした屋根断熱施工を考えています。屋根と壁は構造的に似ているとお話しましたが、屋根は直射日光を受ける訳ですから壁よりもかなり厚めの施工が必要となります。基本的に厚めの施工をしている会社が多いのですが、トレードオフという制度を使っているため、断熱性が高い次世代省エネ基準の家であっても十分な厚さを確保していないケースがあります。トレードオフについえはお馴染みのサイト「住まいの水先案内人」をご覧ください。

http://www.ads-network.co.jp/dannetu-keturo/mini-46.htm

 もし、トレードオフを利用している場合は、個別対応で断熱材を厚くしてもらうなどの対策が必要です。

 なお、壁では内部結露のお話をしましたが、屋根でも同じく通気層を構成する面材(スペーサ)や合板の内側で内部結露が発生するリスクがあります。壁の場合と同様にスペーサや合板の透湿性についても確認が必要です。壁と異なり、建築業界の人と話をしていて、この辺はアバウトになっている気がします。

 水蒸気の混じった暖かい空気は上昇していきますから、天井裏から屋根部に水蒸気が上り込むのではと私は心配になりました。内部結露の節で、クロスがペーパーバリアの役割を果たしているという堀先生のお話に触れましたが、天井クロスについても透湿性の低いもの選び、小屋根裏への水蒸気の侵入を防いだ方が良いと考えます。