南大阪で欠陥住宅を建て替えるオッサンのブログ(along with 泉北ホーム)

建売の欠陥住宅に長年苦しんだ末、泉北ホームさんで建て替えます。その顛末です。

2.構造について-1

木造軸組工法と2×4工法

 先に述べたとおり、木造住宅には木造軸組工法と2×4工法という代表的な2つの工法があります。両工法の違いについてはインターネット上でいくつも解説がありますので、そちらをご覧ください。

http://sumai.nikkei.co.jp/edit/qahouse/plan/detail/MMSUr2076021102002/

 しかし、建築会社から情報を収集すると、同じ工法であっても会社毎に内容が細かく分かれています。一方で日本での2×4工法は、木造軸組工法の影響を受けており、素人目には似通っている面も多いのです。

 まずは、普及度の高い木造軸組工法について、具体的に会社毎による違いを挙げていきましょう。そのうえで、2×4工法についても説明を行います。

 

木造軸組工法での違い

①柱・梁・土台の太さ

<営業トーク:ウチは柱がオール4寸やから丈夫やで!>

 柱や土台は3.5寸か4寸か。梁は間取りによりよっても使う寸法が変わるようです。”オール4寸”を売りものにしている会社、通し柱など主要な柱のみ4寸としている会社など、「太い柱が丈夫で良い」というのが通念になっています。

 確かにオール4寸採用の現場を見学すると、とても丈夫そうに感じます。ただ、柱が太くても材質が悪くては意味がありません。柱が太くても後述の通り、強度の低い柱を使っている場合もありますし、単純に柱だけが太くても必ずしも耐震性は向上しません。

 また、”柱の太さ≒壁厚”というを忘れてはいけません。尺モジュールで”オール4寸”などにすると、壁厚の分だけ廊下や階段が狭くなります。柱の太さはあくまで構造を構成する要素の一つであり、あくまで全体のバランスが重要です。

 

②柱・梁・土台の材質

<営業トーク:集成材は歴史が浅いから危ない。やっぱり無垢やないと!>

[柱]

 今は集成材(エンジニアウッド)を利用する会社がに多くなっています。一方、オール檜を売りにしている会社もあります。この手の会社の営業マンに聞くと、「集成材は接着剤が剥離する危険性があり、長期的に強度が低下する。特に、シックハウス対策のため、数年前に接着剤が変わっており、そのリスクが高まっている。」と主張されます。

 既に多くの会社で利用されているので、集成材がダメということはないでしょう。ただし、集成材の強度等級は気にしておいた方が良いと思います。いくつもの工事現場を見て回りましたが、意外にも大手の会社が強度等級の低い材木を利用していました。下図のように材木のシールに強度等級が記載されていますので、ぜひ確認してください。

     f:id:tanegon:20130103004650j:plain

☆シールの読み方は次のサイトを参考にしてください。

   http://www.house-support.net/tisiki/syusei.htm

 一方、無垢材を選ぶ場合は、含水率を気にしておいた確認した方がよいでしょう。材木の強度に影響します。もし含水率の低い無垢材を売りにしているなら、木材については安心できる会社といえます。

[梁]

 梁も柱と同様に集成材を利用している会社が多いようです。しかし、梁は柱と異なり、曲げ対しての強さが求められます。集成材が弱い訳でもないと思うのですが、10年ぐらい経過した集成材の梁で剥離を見たという建築士にも会いました。力のかかる方向、温度変化による材木の伸縮により接着剤の特性が変質するのではという憶測から、個人的に梁に集成材を利用することに躊躇しました。

 梁については粘り強い米松など、柱と別の素材を利用している会社もあります。極め付きはパナソニックビルダーグループの”テクストラクチャー”でしょうか。こちらは梁に鋼鉄を利用しています。鋼鉄の梁だと曲がりにも強く、柱のスパンも長く取れるというメリットもあります。

[土台]

 土台の材質にはメリコミ強度、防蟻性、防腐性が求められます。このため、水に強いというヒバ、檜が利用されているとのことです。最近はLVLというウエハースのように板を張り合わせたものを利用している会社もあります。

 

 材質について色々書きましたが、材木の強度等級さえ気にすれば、あとは施主の好み次第ではないかというのが私個人の感想です(私の場合は梁のみは集成材に抵抗がありましたが)。選択肢が多い割に、家の丈夫さにどの程度影響するのか、判断が難しいのです。まあ、ローコスト住宅なら全て集成材なので、選択肢はないわけですが。

 柱や梁を露出した家、オール檜が自慢の家とかに住みたいというのであれば、それにあった材質を選べば良く、間取りの制約が少ない方がよければ、テクノストラクチャー等の柱スパンを広くとれるものを採用すれば良いのだと思います。