南大阪で欠陥住宅を建て替えるオッサンのブログ(along with 泉北ホーム)

建売の欠陥住宅に長年苦しんだ末、泉北ホームさんで建て替えます。その顛末です。

電柱移設

敷地に電柱があるなんて

  当方の敷地には電柱が立っています。小規模開発(300坪ぐらいの土地を分筆して、複数個の小さな家を建てる)の分譲建売なので景観なんかも考えず、敷地内にニョキニョキと配電に必要な電柱を立てている訳です。

 もともとゴチャゴチャした堺の下町にある文化住宅(いわゆる長屋)に長年住んでいたため、電柱は慣れっこでしたし、仲介業者からの「敷地内に電柱があると地代が入りますよ!」なんていう甘言にも惑わされ、あまり気にかけずに購入してしまったのでした。

 その地代とやらですが、蓋を開ければたったの年間1,500円!。事情を知らない方々は、その十倍ぐらいはあると思っているらしく、金額を聞くとビックリして気の毒がられます。敷地に電柱があるという不便さを考えれば、割に合いませんね。

 

電柱は危険?

 敷地に電柱があると駐車などで不便が多いのですが、特に心配になったのは地震、雷による影響です。それぞれ説明いたします。

①地震による倒壊の危険性

 「建物は建て替えて地震に強くなるのに、地震で電柱が倒れてきたらアウトじゃないか!」と心配しました。電柱の耐震性について調べてみると、設計震度等の決まりがないことが分かりました。

 電柱などの電力設備は「電気設備技術基準」(通商産業省令,平成 9 年 6 月 1 日施行)に沿って設計・施工されることとなっています。その内容ですが、「支持物が支持する電線等による引張荷重、風速40m/秒の風圧荷重及び当該施設設置場所において通常想定される気象の変化、振動、衝撃その他の外部環境の影響を考慮し、倒壊のおそれがないよう、安全なものでなければならない」という基準のみです。

 ただし、この風圧荷重等の想定が結構シビアらしく、これまでの大地震での実績からして、地震により電柱単体が倒れる事例は極めて少ないらしいです(家の倒壊に巻き込まれて倒れたという事例が多い様子)。電柱が当家より耐震性が劣っているということはないようです。よって、この点は取り越し苦労でした。

②落雷の危険性

 落雷について、最初は電柱が避雷針代わりになるというプラス面に注目しました。関電の電柱は高さが12mぐらいだそうです。一般的な二階建て住宅の高さは9m程度ですので、原理的には、住宅と電柱が併設されているならば、雷は住宅よりも高い位置にある電柱に落ちる確率が高いのです。つまり、家の近くに電柱があれば避雷針の代わりになるのではと推定されます。しかし、良く考えてみるとこの考えには問題があります。

 一つは電柱の高さがあまりないので、保護効果は限定的です。甘いと言われる保護角法(避雷針上端から、その上端の鉛直線に対して保護角で定める稜線の内側を保護範囲とする方法)で見積もっても、かなり隣接した状態でなければ保護効果がありません。

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 更には効果があったとしても電柱に落ちれば配電線、アースなどを通じて屋内にサージ(雷の電流)が入ってくるため、電気設備にダメージを受ける可能性が高いのです。避雷針としては効果は実質的に無さそうです。

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 むしろ敷地内に周囲の建物より高い電柱があるということは、落雷により影響を受ける確率を単に高めているに過ぎないと考えます。つまり、落雷による危険性はある程度は存在し、対策としては火災保険に雷害特約をつけてカバーするしかありません。

 

電柱の移設について

 さて、本題の電柱移設に話を移します。不便な電柱などを敷地外に持っていきたいのが人情です。ただし、自分も受電という恩恵を受けており、隣家への影響もあるので簡単ではないのです。

 実際、手続や金銭面でも敷地外への移転は難しく、特に金銭面においては高額の移設費用を敷地の地権者が払わなければならないのです。このため敷地に電柱がある家を購入したしまったら、敷地外への移設は諦めざるを得ません。

 一方、敷地内での移設については正当な理由があれば可能でして、費用についてはも無償(関電持ち)となっています。ただし、関電さんも予算があるので、早めに相談する必要があります。また、隣家に影響があるので、トラブルを防ぐためには事前の了解が必要です。

 当家も駐車場スペースを確保するために、敷地内で移設作業をお願いいたしました。隣家の皆様にも快く了解をいただけたことを本当に感謝しております。

 作業そのものは新しい電柱を建てて、配電線を切り替えた後、古い電柱を抜き取るという方法でした。電柱にはNTT等の通信線ものっているため、電柱撤去までは割りと時間がかかりました。工程に余裕を持っておくことをお勧めします。