南大阪で欠陥住宅を建て替えるオッサンのブログ(along with 泉北ホーム)

建売の欠陥住宅に長年苦しんだ末、泉北ホームさんで建て替えます。その顛末です。

7.会社の信用について

倒産すると大変

 今回のお話は中小零細の工務店さんにとって、とても酷なお話をします。ただ、施主側にとって重要なお話なので、取り上げることとしました。

 この業界では建物完成時点で工事費を清算するのではなく、着手から完成までの間に4回ぐらいに分けて工事費を支払うケースが多いようです(泉北ホームさん等、資金的に余裕のある会社さんは完成時清算でOKという場合もあります)。

 多くの中小工務店さんの経営的な信用度は決して高いものではありませんので、少なからず倒産リスクがあります。倒産すれば、今まで払ったお金を取り戻すこともできず、建てかけの家が残るだけで泣き寝入りするしかありません。倒産すれば本当に大変です。

 中小工務店さんの中には、このリスクを補完するために完成保証保険に加入している場合もあります(全体でみればごく少数です)。有名どころではアイフルホームさんでしょうか。同社はフランチャイズ形態で、各支店は中小工務店さんが看板を借りているのが実態です。倒産リスクをフランチャイズ全体でカバーするという考えです。

 なお、保険に入っていたとしても、倒産したらやっぱり大変です。工期は延びるでしょうし、同じ職人が作業を継続する訳ではないので、思い描いたような家が完成しないかもしれません。保険内容によっては全額補償でなく、コストがかさむ場合もあります。

 どのみち施主は経営的な信用度を良く確認した上で、どの会社さんにお願いするかを考えねばなりません。

 

信用調査の方法

 でも、一般の人が会社の信用調査をするのは難しいと思われるかもしれません。やる気があれば、ちゃんと調べる方法があるのです。

 

①信用調査会社のデータを利用する

 ビジネスマンが信用調査でよく使うのが信用調査会社のデータです。例えば、次のようなサービスがあります。

 ・帝国データバンク http://www.tdb.co.jp/index.html

 ・東商リサーチ http://www.tsr-net.co.jp/

 これらは有料サービスで1件当たり、結構なお金が必要です。銀行マンなら会社の端末を使えば調べ放題でしょう(笑)。そんな魔法の端末が身近にない一般人にとっては、サービス利用は痛い出費です。

 でも、大丈夫。実は無料で調べる方法があります。大阪府立図書館などの図書館、産業振興関係の施設には調査用の端末、CD等が用意されており、タダで利用できます。ただし、印刷はできないのでノートに書き写さねばなりません。また、若干情報が古い場合があります。

 なお、どんなデータが利用できるかといえば、会社の売上、利益、役員や株主等の基本のデータのみです。それでも、会社が儲かっているかどうかぐらいは判断できます。ただし、中小工務店の場合は信用調査会社のデータには入ってないケースもあり、万能な方法ではありません。でも、調査の労力があまりかからない方法です。

 

②建築許可申請を調べる

 本気モードで会社選びをするなら、労力はかかるものの、詳細情報を調べることができる奥の手があります。

 それは何かといえば、都道府県の庁舎にある建設振興課に出向き、”建設業許可申請書類”という書面を確認するのです。例えば、大阪府の場合、大阪府庁咲洲庁舎1階の閲覧コーナーに行けば無料で閲覧可能です。

 http://www.pref.osaka.jp/kenshin/kenkyoka/04-1_eturan.html

 さて、この”建設業許可申請書類”とは、各会社さんが建設業を営むための許可を受けるため、都道府県知事に提出している書類なのです。この書類を閲覧すれば、会社の体制(組織、技術者)等について把握できます。

 また、”決算変更届”という書類も同時に閲覧できます。これは決算書に相当するもので、請負工事の実績まで記載されています。各会社さんはこの書類を毎年提出する義務があり、建築振興課には数年分が保管されています。これにより、ここ数年間の会社の経営状態、施工実績、受注単価までも確認できるのです。建設業の会社さんにとっては、とても恐ろしい書類です。

 この閲覧制度は、取引先の企業や銀行が信用調査をするための仕組みなのです。施主となる個人が使うことも特に問題はありません。

 ただし、調査には結構労力がかかります。大阪府庁咲洲庁舎は遠いため、行くだけでも半日仕事になります。一日に閲覧できる会社数は6社に制限されているため、多くの会社さんを調べる場合は何度も足を運ばねばなりません。また、書類のコピーができないので、必要情報をノートに書き写す手間も大変です。

 労力がかかっても、本命の会社さんを吟味する場合にはおススメの方法です。本命と思っていた会社さんが、この調査によって候補から外れるという事態にもなりました。

 ちなみに私が調べた中では約3割ぐらいの会社さんが”決算変更届”を提出していませんでした。建設業法では報告義務があるのですが、ペナルティがないのでサボっている訳です。

 家づくりでは、行政に対してさまざまな申請業務が発生します。”決算変更届”すら提出出来ていない会社さんでは誠に心もとない(多分、申請業務を行政書士に丸投げしており、毎年の更新費用をケチったのだと思います)。このような会社さんは実態把握もできないので、候補から外すこととしました。