南大阪で欠陥住宅を建て替えるオッサンのブログ(along with 泉北ホーム)

建売の欠陥住宅に長年苦しんだ末、泉北ホームさんで建て替えます。その顛末です。

6.情報処理について-2

落とし穴

 プラン作りの一方、地元の工務店さんの完成見学会を色々と回っている内に、自分の計画の問題点に気づきました。地元の優良工務店さんが作る家は、確かに作りはしっかりとしているのですが、なんだか違和感を感じる物件があるのです。

 例えば「派手なクロスばかりを使っていて統一感が・・・」、「和風の家なのにごてごてした洋風装飾階段が・・・」、「木造なのにえらく黒光りしたドアと大理石調の床材が・・・」などなど。工務店さんに理由を確認すると、「施主さんのこだわりなので」とのこと。

 工務店さんは確かに”施主のこだわり通りの家”を作っていました。ただ、その”こだわり”が世間一般から見て、おかしいことだってあるでしょう。そんな時、「施主さん。それはあまり一般受けしませんね。むしろ、こうした方がいいですよ。」と言って頂けるものと期待しておりました。しかし、立場上難しいのか、ノウハウがないのか、そういったアドバイスを必ずしも頂ける訳ではないようです。

 前回のお話の通り、「基本的な設計を自分で取り纏める」という前提で進めてきたのですが、どうもここに落とし穴がありそうです。家一つを建てるには非常に沢山の情報の処理(デザイン、動線設計、バリアフリー、採光、採風、隣家との兼ね合い、法令対応・・・)が必要で、素人だけで考えて整理していくのには限界があります。特に私の様にセンスのない人間は、”分かる人”のチェックが入らないとヘンテコな家を建ててしまうでしょう。

 「建築士の方、インテリアコーディネーター(IC)の方、工事監理担当者の方等、複数の専門家により、プランを肉付けし、修正していかないと、満足な家は建てられない。」という事実にようやく気づいたのです。。

 

組織的な情報処理(問題解決)

 一方でデザインや実用面を含め、すばらしい家を建てている工務店さんもございました。こうした工務店さんの特徴として、センスも実務能力もあるスーパーマン的な建築士さんが必ずおられました。その建築士さんが営業、設計、施工管理まで何でもこなしている様子で、手掛けられた物件は統一感のあるシンプルモダンなかっこいい物件ばかりでした。

 ITの世界でもアップル社のスティーブ・ジョブス氏の様にスーパーマン的な働きで、開発からマーケティングまで自社製品の全てのプロセスに関与し、統一感のある素晴らしい製品を世に送り出している例があります。デザイン能力が必要な業界では、スーパーマン的人物の活躍が成果に大きく影響するようです。

 その工務店さんはとても魅力的には思えたのですが、もし、契約直後にその建築士さんが退職すればどうなるのでしょうか。多分、全ておしまいです。特定個人の能力のみに頼るのはリスクがあります。

 そこで、色々なアドバイスを頂けそうで、ある程度の分業化が進んでおり、組織的に情報処理(問題解決)を行っている会社さんが良いのではと考え、その観点でチェックすることにしました。

 

チェック方法

 相手の会社さんから適切なアドバイスを頂けそうか、また組織対応をしておられるのか、どのようにチェックすれば良いのでしょう。この業界は契約完了までは営業さんがフロントに立ち、見学の段取りからプラン作成までは個人プレーで対応する様子なので、特に組織対応を確認するのは難しそうです。

 一つはこちらで作成したプランを提示してみて、新しい提案要素を頂けるかを観察しました。こちらのプラン通りの提案しか出さないなら、かなり危ないと思います。

 二つ目は設計部門やIC部門等と連携できているのか判断するため、こちらから色々と問い合わせをしてみて、その応答具合から確認することとしました。特に設計部門との連携が重要であると考えておりましたので、わざと専門性の高い質問を行って、適切な回答をいただけるか様子を見ました。

 三つ目は会社さんのIT化の進展具合から推測することとしました。もし、IT化が進んでいるなら、少なくとも経営者は組織的な情報処理の必要性を考えているはずです。ちなみに、この業界全体としてIT化が余り進んでおらず、組織での情報共有化もあまり進んでいない様子です。大手のTホームさんでも、営業さんはメールアドレスすら持っていませんでした。

 営業殿が住宅デザインソフトを自ら操作してプランを作成しているなら相当マシな方でして、もし、グループウエア(営業支援ツール)やプロジェクト管理ツールまで導入しているならかなり進んだ企業と言えるでしょう。