6.情報処理について-1
ITプロジェクト管理と家作り
またまた、ITの世界を例にあげて説明を行います(面白くないと思いますが、お付き合いください)。
注文住宅の場合、施主のオーダーに合わせて一から建物を作り上げていく訳ですが、ITの世界ではシステムを一から作りこむケースを”スクラッチ開発”と呼んでおり、工期の遅延や開発コスト増大等のリスクを伴うものされています。
このリスクをコントロールして開発プロジェクトを成功させるためには、①要件を早期に取り纏め、途中で変更が生じないように仕様を凍結していくこと、②工程管理、品質管理を適切に行うことが管理の要諦とされています。
私は家作りにおいても、同様の考え方が取れるのではと考えました。つまり、
①に相当する基本的な設計(間取りや外観デザイン等の)ある程度自分で
取り纏める。
②に相当する部分は施工に力量のある地元工務店さんにお願いする。
更には、第三者監理(外部の建築士さんによる検査)を入れて品質確認
をする。
これらの対応により、工期やコストをコントロールして、満足な家が作れるのではないかと考えたのでした。
要件取り纏め
基本的な設計作業は、家族の持つ様々な要件をまとめていく必要があり、大変骨が折れる作業です。ITの世界では、”プロトタイプ”と呼ばれるデモシステムを作って利用者に提示してイメージ固めを行うので、この方法を援用することとしました。
具体的には”マイホームデザイナー”という住宅デザインソフトを購入し、自分で間取りや外観を作り、家族内で検討することにしました。同ソフトは高度な専門的知識なしで、間取り図、パース図(外観図)を作成でき、立体表示で家のイメージを確認することができます。
http://www.megasoft.co.jp/3dmyhomels4/
最初は中庭のある家とか、奇抜なデザインのプランを作成しておりましたが、何度も作り直すことで住宅としての文法(常識)が分かってきます。家族で色々な意見が出てくることもあり、トータルで30以上のプランを作って検討を繰り返しましたが、結果的に割とおとなしくて妥当なプランを作りました。
さて、「プランができれば、後は優良な工務店さんを探すだけだ」と考えていたのですが、この進め方には問題点があったのでした。(つづく)