南大阪で欠陥住宅を建て替えるオッサンのブログ(along with 泉北ホーム)

建売の欠陥住宅に長年苦しんだ末、泉北ホームさんで建て替えます。その顛末です。

3.断熱について-1

断熱材の入っていない家

 私の家(旧)には断熱材が入っておりませんでした。大阪のあびこにあった"ダイコーホーム"という建売会社(その後、倒産)が,昭和63年に建てた物件です。

 建築基準法では断熱施工が条件に入っておらず、断熱材が入っていない家を建てることができるとのこと。ダイコーホームに限らず、当時の建売住宅の中にはコストダウンのために、断熱施工しないという物件が多数あった様子です。おかげさまで私ども家族は、夏はとても暑く、冬はとても寒い家に暮す羽目になりました。

 もし、中古物件を探しておられる方がいらっしゃいましたら、ちゃんと調べて、そのような物件を掴まないようにお気を付けください。

 その後、欠陥住宅問題が騒がれ、世間の見る目が厳しくなることで業界も変わっていった様子です。新築物件をお考えの方は、今では有り得ないお話ですから、ご安心ください。

 

断熱の工法について

 断熱の工法として外断熱と内断熱があり、また内断熱には吹付け断熱、繊維系断熱等、色々種類があります。とても奥が深い世界なので、私の様な素人がチャンと説明できません。私が勉強させて頂いたサイトと本を、参考までに挙げさせていただきます。

 

<HP:住まいの水先案内人>

 http://www.ads-network.co.jp/dannetu-keturo/dannetu-kiso-02.htm

<書籍>

 図解入門よくわかる最新断熱・気密の基本と仕組み 堀 清孝 (著)

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 さて、「断熱工法の比較をチャンと説明できない」と、諦めた理由を補足しますと、断熱には様々な工法が存在し、地域特性や使用部材の組み合わせ条件等のパラメータが多くて問題が複雑です。

 更には人間の健康問題(内部結露による室内のカビ、シックハウス、ヒートショックなど)に絡ませて説明されることが多く、信条的で扱いが難しいのです。

 特に外断熱を採用する会社さんはその傾向が強く、確かに科学的な実証結果もあるのでしょうが、「自分たちの工法は絶対に正しい」と教条主義的な感じを持ちました。展示場に行くと「外断熱の家に住むと長生きできる!」とさえ主張する宣伝資料を見せられ、まるで健康食品のCMを見るようです。一寸やり過ぎかなと思います。

 正直、素人としては何が正しいなんてわかりませんから、心象で選ぶことにしました。参考までに、私が各社の営業マンから聞いた営業トークを①外断熱、②吹き付け断熱、③繊維系断熱(ここではグラスウール、ロックウール)の会社毎で並べてみましょう。

 

<?営業トーク?>

①外断熱の会社の場合

・「外断熱は確かに高いですが、内部結露は絶対に起こりません。起こしたくても科学的に無理なんですわ。ヒートショックやシックハウスもないし、一番健康的で安全な住宅ですよ。」

・「繊維系断熱は数年経ったら断熱材が垂れてきてワヤですわ(⇒袋入り断熱材が垂れている現場写真を営業さんが示す)。それに内部結露が発生してカビだらけですわ(⇒同様に、壁中の袋入りグラスウールがカビで黒くなった現場写真を示す)。」

・「吹き付け断熱は独特の化学的な匂いが残りますよ。それから雨漏りが発生すると、毛細管現象で壁内に雨水が浸透して壁全体がベチャベチャです。侵入箇所もわからなくなるんで、壁ごとやりかえになりますよ。」

 

②吹き付け断熱の会社の場合

・「繊維系断熱と比べて断熱材の単価は高くなりますけど、断熱効果が高いですよ。繊維系断熱は職人の腕次第なんで、施工が悪いと断熱の効果がでませんわ。」

・「大阪やったら外断熱は過剰スペックですわ。吹き付け断熱で十分いけます。」

 

③繊維系断熱の会社の場合

・「ウチはチャンと職人を訓練してきっちり断熱材を施工していますから、大丈夫です。やっぱり、実績の積んだ断熱材が一番いいですよ。」

・「吹き付け断熱なんて流行りのもんですわ。実績が浅いから、そのうち問題が出てくるかもしれませんで。」

・「外断熱はええかもしれませんが、リフォームが厄介ですよ。クーラの穴を一つあけるだけで、建築会社に依頼しないといけないらしいですわ。」

 

 現場見学もしましたが、私の感想として確かに外断熱は良さそうに思いました。しかし、概算見積を取ると建築コストが他の工法より2割程度高く、先述の通りセールスの仕方があざとくて、嫌になりました(偶然なのか見学した外断熱3社とも同じ調子)。ちなみに、ローコスト系の会社は繊維系断熱(それもグラスウール)が多いようですが、工期短縮できることかから吹き付け断熱を採用している会社もあります。

 さて、私は職人の施工レベルの差が出やすい繊維系断熱も心配だったので、断熱効果を得やすい吹き付け断熱を第一候補として考えました(ちなみに、セルロースファイバーや羊毛も調べましたが、取り扱っていたのが”ロハス”を前面に打ち出した会社ばかりで、フィーリングに合いませんでした)。

 ただ、外断熱の営業さんが注意(?)してくれた、内部結露や雨漏のリスクについて対策を検討する必要を感じました。次回、この点について説明いたします。